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日本語の大疑問

日本語の大疑問のコピー
[題名]日本語の大疑問
[著者]国立国語研究所編
[発行]幻冬社
[定価]1012円
[発行日]2021/11/25
毎日あたりまえに使っている日本語。だが、ふと疑問に思うことはないだろうか。

そもそも漢字はいつから日本にあるのか?
「シミュレーション」を「シュミレーション」とつい発音してしまうのはなぜだろう?
「確認させていただいてもよろしいですか」は乱れた日本語なのか?
これまでの絵文字・顔文字とLINEのスタンプでは何が違う?

ことばのスペシャリストが集う国立国語研究所が、国民の抱く素朴だが奥深い疑問に呻吟(しんぎん)しながら出した名回答を厳選。日本語の教養をこの一冊でアップデート!

●明治時代、犬は「カメ」と呼ばれていた
●漢字のない国にもキラキラネームは存在する
●江戸時代の「おじいちゃんらしい話し方」は関西弁だった
●「クールビズ」が流行って「省エネルック」はダメだったワケ
●「それから」「そして」「それで」はどう違うのか
●「最も~の一つ」は翻訳から定着したことば
●日本語は本当に難しい言語なのか


普通に使っている日本語にも知らないことがたくさんありました。まさに目から鱗ということです。


落語家のもの覚え

落語家のもの覚え のコピー
[題名]落語家のもの覚え
[著者]立川談四楼
[発行]筑摩書房
[定価]840円
[発行日]2020/3/10
個性の凄い師匠の下での爆笑修業話から始まりネタを含めた物事の記憶法、忘れない方法を面白く説く。意外な視点から実生活にも役立つヒントが満載。


もの覚えやもの忘れの話もありますが、落語界の裏話や失敗談の話が多いです。40歳過ぎからの落語界に入る人もいるんですね。大したものです。

もっとハゲしく声に出して笑える日本語

もっとハゲしく声に出して笑える日本語 のコピー
[題名]もっとハゲしく声に出して笑える日本語
[著者]立川談四楼
[発行]光文社
[定価]720円
[発行日]2017/9/20
大好評、抱腹絶倒シリーズの第3弾!「同じ釜飯を食った仲じゃないか」「あぐらをこいて」「今日は熊が出やすいでしょう」…。アナウンサーがやらかしたほんの一瞬の言い間違いも聞き漏らさず、俳優・タレント・落語仲間・市井の人々の滋味に富んだ言葉を脳裏に焼き付ける。そんな師匠の日々のコレクションの中から、選りすぐりの言葉を一冊にまとめました!


第三弾がありました。「もっと」の次は「もっとハゲしく」です。本当は「もっともっと」の予定だったのらしいのですが、ちょうどT議員の「このハゲー!」発言の時期に出版されたそうで、こうなったようです。なかなか笑えます。

もっと声に出して笑える日本語

もっと声に出して笑える日本語 のコピー
[題名]もっと声に出して笑える日本語
[著者]立川談四楼
[発行]光文社
[定価]724円
[発行日]2017/9/25
ベストセラー『声に出して笑える日本語』がますますパワーアップして登場!「ただいま地震が、地震が揺れています!」「ウチの孫はアメリカにホームレスに行ってるんだ」「あたってくじけろ!」…アナウンサーや有名人の迷言から、街で拾った言い間違い、そして死ぬほど下らないオヤジギャグまで新ネタを満載。著者渾身の書下ろし。


タイトルの通り、声に出して笑えます。電車の中や待合室では読まないようにしてください(笑)

そして、一番笑ったのは、すでにこの本を読んでいたことに、読み終わるまで気がつかなかったことです(爆)。しかも2009年12月6日にこのブログに投稿していたことです。認知機能の低下が始まっているようです(涙)。

シルバージョーク集

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[題名]シルバージョーク集
[著者]烏賀陽正弘
[発行]三笠書房
[定価]600円
[発行日]2018/5/10
笑う門には「福」と「長寿」来たるーー。
世界中には、シニア世代にまつわるジョークがごまんとある。特に多いのが、いわゆる「自虐ネタ」だ。

【物忘れ】ーー「あれだ、あれ 年々増える 代名詞」
【聴力】ーー「年老いて 変わらぬものは 地獄耳」
【熟年夫婦】ーー連れ添えば 連れ添うほどに 悲壮感」
【ハゲ】ーー「鏡見て 自分をはげまし から元気」
【金銭欲】ーーあの世には 持って行けぬ タンス預金」

本書では、世界のジョーク集の中から、日本のシニア世代に深く共感していただける傑作選をお届けする。物忘れ、健康不安、ビミョーな夫婦仲、性、お金、そして老後の人生・・・「老いの悩み」もなんのその!ジョークで「笑い」に変えれば、元気がもりもり湧いてくる!

日本を支えるシニアたちの「お達者パワー」を存分に味わってください!


この手の本は手軽読めるので大好きです。出張帰りの新幹線で読み終わりました。


ことばのトリセツ

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[題名]ことばのトリセツ
[著者]黒川伊保子
[発行]集英社
[定価]780円
[発行日]2019/6/12
よかれと思って発した言葉、意味は合っていても、その印象は語感でまったく変わります。
「感謝します」は距離感を作り、「ありがとう」は親愛の情を伝え、「はい」は忠誠心、「ええ」は知性を感じさせます。
本書は著者が人工知能研究において「ことば」の感性に着目して以来、28年にも及ぶ「語感分析」の成果をまとめた1冊です。
たとえば、「さぁ、帰ろう」「そろそろだね」などのS音は爽やかな印象を与えますが、デートの最後にはNG。包み込む音オを使った「送るよ」「おやすみを言わなきゃね」などを使ったほうが効果的です。
また、「ポルシェ」のP音は光を、「ひかり」は圧倒的なスピード感を、「のぞみ」は居心地の良さを感じさせるなど、名前の「音」がもたらす影響や効果も論じます。
男女関係、職場の上下関係、ネーミング会議、あらゆる場で役に立つことばづかいの極意が満載の、まさに「ことばのトリセツ」です。


「語感」の本です。赤ちゃんが胎内にいるときにもおかあさんの言葉は語感として届いているんですね。ビックリしました。また英語とドイツ語は子音中心の言語で、イタリア語と日本語は母音中心の言語だそうです。と書いたけど、日本語には、大和言葉由来(訓読み)の「いのち、うみ、こころ、ありがとう」などは母音派で、漢語由来(音読み)の「生命、海洋、精神、感謝」などは子音派であり、なんとハイブリッドになっているのです。すごいですね。
『ことばは、脳の中に「世界」を作り出していて、あらゆる謎を解く鍵なのだ。』


使える! 「国語」の考え方

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[題名]使える! 「国語」の考え方
[著者]橋本陽介
[発行]筑摩書房
[定価]820円
[発行日]2019/1/10
国語の授業はとかく批判されがちである。つまらない、役に立たない、小説を読む意味はない、といった声が聞こえてくる。そのため、論理力をつけるための内容に変えるべきだという意見も強まっている。でも、それで本当に国語の力はつくのだろうか?そこで、文学、論理といった枠にとらわれないで、読む力・書く力を身につけるための新しい考え方を提案する。これまでなかった国語の授業がここにお披露目される。

第1章 現代文の授業から何を学んだのか?
第2章 小説を読むことの意味を問う
第3章 教科書にのる名作にツッコミをいれる
第4章 「論理的」にもいろいろある
第5章 理解されやすい文章のセオリー
第6章 情報を整理し、ストーリーをつくる
第7章 論理ではなく、論拠を探せ!
第8章 すべての事実は物語られる


若い時は確かに「作者の気持ちを考えろというが、そんなのわかるはずがない」「読み方は人それぞれ違って当たり前だ」なんて思っていました。この本を読むと「文章にして人に伝えるには、論理的な文章を書かないといけない」っていうことがわかります。論理的な日本語の書き方を学び、一次元としての文章力で自分のいいたいことを人に伝えるわけですね。


漢字とカタカナとひらがな

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[題名]漢字とカタカナとひらがな
[著者]今野真二
[発行]平凡社
[定価]907円
[発行日]2017/10/13
日本語に正書法はない。漢字を受容し、カタカナとひらがなを生み出した日本語は、多様な書きかたの選択肢をもってきた。いつ、どんな言葉を、どんな文字の組み合わせで書いてきたか。その歴史をとらえる。


我々日本人は普段なにげなく使っている日本語。これは漢字とカタカナとひらがなからなっている。「書き言葉」はどのように変化してきたのかを、時代時代の書物の表現方法だけでなく、社会背景などから書物の意義を見出し、どの程度一定の社会集団が使っていた実際の書き言葉を反映しているかなどから類推している。漢文(漢字だけで書かれたもの)で書かれた仏典などを訓読(日本語読み)するために、漢字の傍に返り点、振仮名、送り仮名などの訓点が書き込まれた。小さなスペースに書くために漢字を省略して書いた。これがカタカナになっていった。つまり漢字とカタカナは親和性が高い。ひらがなの特徴は連綿(続けて書くこと)しやすいことだ。つまり単語と単語の切れ目が明らかとなり読み易い。あるいは女性的なイメージもあるので、そのような場で使われるようになったのかもしれない。現代では漢字とカタカナとひらがなが適度に混じっていることが読みやすくしていると言える。


日本語の常識・非常識

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[題名]日本語の常識・非常識
[著者]吉田裕子
[発行]エイ出版社
[定価]700円
[発行日]2016/4/10
なおざり? おざなり? もてなし? 敷居の高い、などなど普段なにげなく使っている日常の言葉、あなたは間違って覚えて使っていませんか?
気づかず間違いは、あなたの知識や教養、品格さえも相手から疑われてしまうかもしれません。
本書では、常識と非常識の日本語の2択問題から正しい日本語が身に付くような構成にしています。敬語をはじめ、慣用表現や、漢字、四字熟語や品格ある人と思われる、大和言葉の言い換えなどなど、あなたの日本語力をアップさせる問題が200題以上掲載。
また、本書を読めば、語彙力や気遣い、教養も身に付くはずです。
著者は東大を現役合格で首席卒業生の吉田裕子氏。東大生の日本語力もマスターできる保存版の内容です。


日本人といえども、日本語は難しいことがあります。そんな時に役にたつ本です。日本語らしいやさしさや気遣いを表すには「やまとことば」がピッタリです。これからも十分に気をつけたいと思います。


美しき、季節と日本語

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[題名]美しき、季節と日本語
[著者]夏井いつき
[発行]ワニブックス
[定価]1,404円
[発行日]2017/6/1
TBS系列「プレバト! 」で話題の超辛口俳人が教える、日本の四季をイキイキと表現する季語の本。かたくなり過ぎず、手紙やメールでカジュアルに使えて、一気に手紙が映像化する奥深い季語の表現を、文例満載でご紹介します。あなたも味わい豊かな季語で、「才能アリ! 」な文章力を身につけてみませんか?


毎週楽しみに見ている、TBS「プレバト!」の俳句コーナー。その夏井さんの本です。表現力を磨くのにはうってつけの本です。


国語辞典の遊び方

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[題名]国語辞典の遊び方
[著者]サンキュータツオ
[発行]KADOKAWA
[定価]691円
[発行日]2016/11/25
『新明解』『角川必携』『岩波』など、この世にたくさん存在する国語辞典。いったい何がどう違い、どれを選べばいいの? その悩み、すべて解決します! 辞書200冊超をコレクションする、オタクで学者で芸人のサンキュータツオが、辞書の楽しみ方、選び方、つきあい方を徹底ガイド。編者や執筆者の熱い想いと深い哲学が詰まった、ユニークで愛すべき国語辞典たちの、知られざる個性と魅力をわかりやすく紹介。


 いろいろな国語辞典の特徴をわかりやすく解説してある。辞書はネットで十分なんて、自分も思っていたが、大きく考え方が変わった。学生時代以来に国語辞典を買ってみようと思う。さて、どの国語辞典を買おうかな?  迷いに迷っている状況である。


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日本の七十二候を楽しむ ー旧暦のある暮らしー

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[題名]日本の七十二候を楽しむ ー旧暦のある暮らしー
[著者]白井明大
[発行]東邦出版
[定価]1,728円
[発行日]2012/11/10
日本には二十四の節気と七十二もの季節があることを知っていますか? 鶯の谷渡り、蛍狩り、半夏雨、十三夜、落ち葉焚き、ふろふき大根、旬の野菜や果物、魚、野鳥、草花、折々の風や雲の名前。旧暦は心と体で感じる日々の楽しみに満ちています。自然によりそう、昔ながらの生活を大切にしなおすことの中に、人が自然と結びつき、生き生きと暮らせる知恵が宿っている。一年を四等分した四季、二十四等分した二十四節気、そして七十二等分した七十二候。「東風凍を解く」、「桃始めて笑う」、「虹始めて見る」など、名前だけでも風情に富んだ七十二候から見た「旧暦の暮らし」をテーマに、その時々の旬の魚や野菜、果物、季節の花や鳥、またその時季ならではの暮らしの楽しみや行事のことなどを、オールカラーのイラストとともに紹介。


 我が国には四季があり、そして二十四の瞳じゃなくって二十四の節気があり、さらに七十二もの季節があります。現代社会は時間が早すぎて、移りゆく候を楽しむ余裕がない時もありますが、むしろそういう時にこそ、季節感を持ちたいものです。美しい日本をしっかりと楽しみましょう!


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日本の大和言葉を美しく話す ーこころが通じる和の表現ー

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[題名]日本の大和言葉を美しく話す ーこころが通じる和の表現ー
[著者]高橋こうじ
[発行]東邦出版
[定価]1,512円
[発行日]2014/12/5
日本には漢語と外来語、そして生粋の日本語「大和言葉」大きくわけてこの三つがあります。日本人自身が育んできた知的で優雅な余韻を残す言葉づかいを身につけてみませんか?


 大和言葉は美しいと改めて感じさせてくれる本。「故郷」より「ふるさと」、「復習」より「おさらい」、「バスタブ」より「湯船」、「豪雨」より「篠突く雨」、後者の方が響きが美しく聞こえます。こんな大和言葉をあまり使わないのはもったいないですね。編集も気が利いており、“このうえなく”読みやすくなっている。


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美人の日本語

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[題名]美人の日本語
[著者]山下景子
[発行]幻冬社
[定価]648円
[発行日]2008/4/10
「花明かり」「綺羅」「手弱女」など美しい日本語を、日めくりカレンダーのように1日1語1年366日分を紹介する。たとえば10月31日は「玉響」。玉とは宝石のこと。宝石が揺れるほんのわずかな時間のことを「玉響」という。貝寄風、東雲など自然を表す言葉や福寿草、相思草など草木の名前も収録。口にするだけで心が綺麗になる一冊。


美しい日本語が並んでいます。季節感があり、日本人でよかった、と改めて感じる本。だけど最近は使われない言葉も多いのが悲しい事実。


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〜こっせん(宮崎弁)

150828読売新聞
「〜こっせん」とは、文末に添えて相手に軽く同意を求めながら尋ねる時に使う宮崎弁だそうです。
宮崎といえばいなか仁さんです。
この言葉は、宮崎では使ってるこっせん?

(2015年8月28日 読売新聞)

日本人も悩む日本語

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[題名]日本人も悩む日本語
[著者]加藤重広
[発行]朝日新聞出版
[定価]842円
[発行日]2014/10/30
「許せない日本語」は次から次へと現れる。本当の正しさはどこにあるのか?万物が流転するように、ことばも変化し続ける。間違った表現も多くの人が使えば、「正しいことば」になるのだろうか?本書では、歴史やことばの成立過程をもとに誤用にまつわる謎をすっきり解説。複雑な日本語の世界は、不合理で時に人間的、そしてかくも奥深かった!


日本語の使い方を安易に「正しい」か「間違っている」か、クイズのような感覚で決めるのは実は難しいのだという考え方を解説している本です。時代とともに人が知っていることが変わり、常識だったことも常識でなくなり、新しい常識が増えてきます。社会状況や言葉を使う人間の知識や考え方に影響を受けています。と言っても基本的な日本語は抑えておきたいですね。


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ことばの発達の謎を解く

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[題名]ことばの発達の謎を解く
[著者]今井むつみ
[発行]筑摩書房
[定価]903円
[発行日]2013/1/10
第1章 アラミルクガホシイノネー単語の発見
第2章 ヘレン・ケラーのwater事件ーことばの世界の扉を開ける
第3章 歯で唇をフムー動詞の意味の推測
第4章 血圧がヤスイーモノの性質、色、位置関係の名前の学習
第5章 ことばの発達の謎を解くー発見、創造、修正
第6章 言語が思考をつくる/終章 読者のみなさんへのメッセージ

単語も文法も知らない赤ちゃんが、なぜ母語を使いこなせるようになるのか。ことばの意味とは何か、思考の道具としてどのように身につけていくのか。子どもを対象にした実験の結果をひもとき、発達心理学・認知科学の視点から考えていく。


小さな子供はどのようにして言葉(母語)を覚えるのか、について書かれています。文法なんて知らなくても母語を使えるようになります。その仕組みを、子供を対象にした詳細な実験から導いています。なんとも不思議な能力があるものです。それとともに妊娠中から話しかけ、生まれてからも愛情を注いで話しかけることも重要なんですね。


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日本人のための日本語文法入門

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[題名]日本人のための日本語文法入門
[著者]原沢伊都夫
[発行]講談社
[定価]777円
[発行日]2012/9/20
第1章 学校で教えられない「日本語文法」
第2章 「主題と解説」という構造
第3章 「自動詞」と「他動詞」の文化論
第4章 日本人の心を表す「ボイス」
第5章 動詞の表現を豊かにする「アスペクト」
第6章 過去・現在・未来の意識「テンス」
第7章 文を完結する「ムード」の役割
第8章 より高度な文へ、「複文」
これだけは知っておきたい日本語の基本。日本語に主語は重要か?「は」と「が」はどこが違う?受身文に秘められた日本人の世界観とは?「私を生んで、ありがとう」はなぜおかしい?「ら抜き言葉」「さ入れ言葉」の真相は?言葉に込められた日本人の心を読む。


 日本語の文法は、主語があって述語があるものと思っていましたが、全く違うのですね。ビックリしました。ボイス、アスペクト、テンス、ムードなどの言葉に触れて、まさに目からウロコです。


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百年前の日本語 書きことばが揺れた時代

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[題名]百年前の日本語 書きことばが揺れた時代
[著者]今野真二
[発行]岩波書店
[定価]735円
[発行日]2012/9/20
第1章 百年前の手書き原稿ー夏目漱石『それから』の自筆原稿
第2章 「揺れ」の時代ー豊かな明治期の書きことば
第3章 新しい標準へー活字印刷のひろがりと拡大する文字社会
第4章 統一される仮名字体ー失われた選択肢
第5章 辞書の百年ー辞書を通してみた日本語の変化
漱石が自筆原稿で用いた字体や言葉の中には、すでに日本語から「消えて」しまったものがある?-百年前の書きことばが備えていた、現代では思いもつかない豊かな選択肢。活字印刷が急速に発達した時代の、私たちが知らない“揺れる”日本語の姿を克明に描き、言葉の変化の有り様を問う、画期的な日本語論。


出版された年のちょうど百年前は明治45年(1912年)であり、その年の7月に明治天皇が崩御されています。本書で扱う百年前とはおそよ明治期の日本語に注目し、現代日本語と対照しながら書き言葉の変化について詳細に考察している。明治期は厳格な日本語が使われていたと思っていたが、実は異なり、かなり揺れ揺れであったようである。和語(やまとことば)と漢語、そして外来語の表記がかなり変化してきたことが伺える。おそらくこれから百年先も、現代とはかなり異なる書き言葉になっていることだろう。


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とっさの方言


[題名]とっさの方言
[発行]ポプラ社
[定価]735円
[発行日]2012/8/5
静岡では上司が「おれっち」と言い、京都では「あしあらい」に誘われる。群馬のバーで「そろそろ行ってみます?」と言われたらー北海道から沖縄まで47都道府県の方言が大集合!人気作家64名が故郷への想いを込めユーモアたっぷりに綴る、かつてない方言エッセイ集。


 普段は標準語で話していても、とっさの時に思わず口にしてしまう方言や、昔懐かしい記憶が蘇る方言などを、知名度の高い作家たちが記しています。例えば、「かちゃっぺない」、「どんとはれ」、「んだっぺよ」、「ごじゃっぺ」、「しょったれ」、「いさっとる」、「そっちしかええ」、「がばぬっか」、「はげー」などです。全く意味がわかんないですよね。


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セクシィ川柳

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[題名]セクシィ川柳
[著者]東正秀/田中圭一(漫画家)
[発行]メディアファクトリー
[定価]777円
[発行日]2011/4/30
江戸のエロ川柳「破礼句」は、教養とエスプリの宝庫である。古典や漢文など、あらゆる教養を使い倒して謳い上げる男の本音に思わず笑いが込みあげる!200年の時を超えて伝えられる傑作川柳300を現役の川柳選者が平易に解説し、奇才のイラストが彩る痛快な一冊。


 かなりエロイです(笑)。「江戸時代なのにこんなにエロイ」と思うのか、それとも「どの時代でも人はエロスを求めるのだなぁ」と思うのか。やはり後者かなぁ。モロに見えるより、見えそうで見えない方が想像力をかき立てるのでセクシィと思うのだとすると、ただ17文字だけの方が想像力の極限に達するので、ひょっとするとかなりセクシィかも知れませんね。


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銀の言いまつがい

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[題名]銀の言いまつがい
[著者]糸井重里
[発行]新潮社
[定価]580円
[発行日]2011/5/1
「がんがらじめ」「リンプインシャンスー」「ヤカンにお湯かけといて」-細かいことは気にしない。「まつがい」だからこそバシッと伝わる、焦りや緊張や思惑や本音がある。正しい日本語を超えた楽しい日本語。


ふと出てしまった“言いまつがい”が面白いですね。クスクスと笑ってしますので、満員電車などでは読まない方がいいと思いますよ。


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金の言いまつがい

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[題名]金の言いまつがい
[著者]糸井重里
[発行]新潮社
[定価]580円
[発行日]2011/5/1
「言い間違い」ではないのだ。あくまで「言いまつがい」。正しいかどうかなんて、この際、どうでもいいのだ。面白いかどうかがいちばん大事。「ほぼ日刊イトイ新聞」の人気連載から選りすぐった、全700本。


笑わせようと意図していない言いまつがいが笑いを誘います。私の琴線に触れたようです。姉妹本の「銀の言いまつがい」も早速注文しました。


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女ことばと日本語


[題名]女ことばと日本語
[著者]中村桃子
[発行]岩波書店
[定価]840円
[発行日]2012/8/21
女ことばという不思議
第1部 「女らしい話し方」-規範としての女ことば
第2部 「国語」の登場ー知識としての女ことば
第3部 女ことば礼賛ー価値としての女ことば1
第4部 「自然な女らしさ」と男女平等ー価値としての女ことば2
女性の言葉づかいは「どうも最近、乱れてきた」と一〇〇年以上も嘆かれ続けているー「女ことば」は、近世から現代の日本社会の、価値や規範、庶民の憧れや国家イデオロギーを担って生き延びている、もうひとつの日本語なのだ。各時代のさまざまな言説と、言語学やジェンダー研究の知見から、「女ことば」の魅力と不思議を読み解く。


正式な日本語は男の言葉であり、女ことばはしばらく正式な日本語としては認められていなかったのです。明治後期から昭和初期にかけて戦争において植民地を拡大してきた我が国にとって、男性が戦地に赴いている間は女性が家長制度を守るしかなく、そのため女性を認めざるをえなかったようです。

 まぁ、そんなに単純ではなくて説明が難しいほど複雑なのですが、そんなに複雑だったのだ、ということがわかっただけでもよかったかな。


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シルバー川柳

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[題名]シルバー川柳  誕生日ローソク吹いて立ちくらみ
[著者]全国有料老人ホーム協会
[発行]ポプラ社
[定価]1,000円
[発行日]2012/9/13
「誕生日ローソク吹いて立ちくらみ」
「LED使い切るまで無い寿命」
「恋かなと思っていたら不整脈」
「万歩計半分以上探しもの」

 「シルバー川柳」は、シニア世代を中心とした、まさに人生の達人たちによる川柳傑作選です。社団法人全国有料老人ホーム協会が主催し、毎年1万を越える応募作のなかから、敬老の日にあたり、ユニークな作品が選ばれてきました。本書は、2012年夏の入選作を含む傑作川柳を、イラストとともに紹介。

 もの忘れも、医者通いも、はたまたビミョーな夫婦関係も。悩める老後は、笑って過ごすがイチバン! 政治も教育も暗い話の多いニッポン、シニア発、お達者パワー全開の、笑えて、しみじみするメッセージ満載の一冊です。笑って愚痴って、一生懸命。この愛すべき、ニッポン人たち。


どれも言い得て妙なものです。家族で楽しく笑える一冊です。


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セクシィ古文


[題名]セクシィ古文
[著者]田中貴子・田中圭一
[発行]メディアファクトリー
[定価]756円
[発行日]2012/5/15
第1章 すごいアソコ!
第2章 同性愛もOK、OK!
第3章 ひとりエッチ
第4章 THE・変態!
第5章 普通のセックス?
格調が高くて難解、というイメージが強い「古文」だが、本当は大胆な性描写に彩られた、まことに淫靡な世界だった!気鋭の国文学者・田中貴子が『源氏物語』や『宇治拾遺物語』など著名な古典から、あっと驚く24場面を厳選して紹介。奇才・田中圭一による斬新な現代語訳コミックと合わせて、エキサイティングに解説していく。知的で、エロティックで、抜群に面白い「古文」入門。


 なんとセクシィな古文の本です。読むと恥ずかしいくらいエロチックな描写が続きます。こんな柔らかな内容を、学生時代に習っていたら、古文が大好きな学生が増えていたことでしょう(笑)

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ひらがなでよめばわかる日本語


[題名]ひらがなでよめばわかる日本語
[著者]中西 進
[発行]新潮社
[定価]420円
[発行日]2008/6/1
・ひらがなでよめばわかるー自然界から生まれたことば(体のパーツ、なぜこうよぶの?/人の一生は、草木の一生 ほか)
・もう一度考えたいーたましいと対話することば(どうして命は尊いのだろう/神とともにある暮らし ほか)
・知っていますかー日本人の考え方がわかることば(具体からはじまって抽象へ/本質的な働きから考える)
・誤解していませんかー日本語の基本ルール(音と訓とはなにか/意味の豊かさこそ日本語のたから ほか)

“目・鼻・歯”も“芽・花・葉”も、“め・はな・は”。文字を“書く”のも頭を“掻く”のも“かく”。太陽も焚き火も“ひ”…日本語はひらがなで考えると俄然面白くなる。漢字の影響を外すと日本語本来の形が見えてくる。言葉がわかれば人間がわかる。日本人の心はこんなに豊かだったのかと驚く。稀代の万葉学者が語る日本人の原点。『ひらがなでよめばわかる日本語のふしぎ』改題。


漢字の音読みは漢語、そして訓読みはやまとことばだと思っていましたが、必ずしもそうではないようです。また、異なる語源かと思っていた言葉が同じ語源だったりと、日本語は生きていて変化しているようです。「しな」と「もの」、そして「しなもの」との違いなど、なるほどと思う話しが詰まっています。

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井上ひさしの日本語相談

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[題名]井上ひさしの日本語相談
[著者]井上ひさし
[発行]新潮社
[定価]500円
[発行日]2011/10/1
日頃何気なく使っていても意外に知らないことばかり。日本語にまつわる珍問・奇問・難問に言葉の達人がお答えします。ニホンとニッポン、どちらが正しい?形容動詞はなぜ冷遇されるの?当て字の歴史は?日本製の漢字(国字)の数は?日本語の音はいくつ?あらゆる文献を渉猟し国語学者も顔負けの博覧強記ぶりを発揮、著者一流のユーモアも駆使した日本語読本の決定版登場。


週刊朝日に連載された「日本語相談」からの抜粋です。掲載時期は1986-1992年と古いのですが、言葉ですからあまり違和感はありません。しかし、「サラダ記念日」が取り上げられており、調べてみるとこれは1987年の出版でした。時代の違いがかえって面白みを増しているかも知れません。

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家庭口論


[題名]家庭口論
[著者]井上ひさし
[発行]中央公論新社
[定価]620円
[発行日]2011/8/25
酢豚と葉っぱ/ビフテキとラーメン/親玉と目玉/スウェーデンと据膳/てまりとだんまり/浦島太郎とイソップ/祝詞とオルガン/カキ氷とアイスクリーム/パラソルと菅笠/ジェット機と鈍行列車/坊っちゃんとハムレット/針千本と筆一本

絶妙の笑いの発明家井上ひさしが家庭の内幕を暴露、才色兼備の夫人と可愛ざかりの三人娘に優しく突き上げられ、クスクス、シミジミの家庭喜劇。


初版は1976年ですので、少々古くさいのですが、そこがまた良い味を出しています。
「20世紀の末、地球の資源は現在の六分の一減り、逆に人口は八倍に増える。しかもその頃、諸公害は全地球を覆いつくしている筈だ。(なんでも、現在の7、8倍もひどい公害地獄になるらしい。)したがって地球は生物の生棲に全く適さないところとなるだろう。」とあったりします。もう21世紀なのにです。1970年代はこんな感じだったのでしょうね。
西ドイツがまだあったりして、マルクを使っているのです。

本書の内容はとても面白いので、時代が変わっても笑いのツボはそんなに変わっていないということなんでしょう。

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言語小説集


[題名]言語小説集
[著者]井上ひさし
[発行]新潮社
[定価]1,365円
[発行日]2012/3/30
括弧の恋/極刑/耳鳴り/言い損い/五十年ぶり/見るな/言語生涯
えっ、まさか!?カギ括弧記号が恋に落ちる!?「括弧の恋」。文法的に意味をなさない台詞に、役者が狂わされていく「極刑」。方言に人生を捧げた方言学者が、傍若無人の元特高に方言で復讐を果たす「五十年ぶり」。“大便ながらくお待たせしました”と、ある日突然舌がもつれる青年駅員の悲哀を描いた「言語生涯」他3編。日本語で笑いを創り続けた著者の真骨頂。爆笑の名作、遂に単行本化。


言葉の魔術師のような著者の発想には敬服するしかありませんね。

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