
[題名]音とことばのふしぎな世界 メイド声から英語の達人まで
[著者]川原繁人
[発行]岩波書店
[定価]1,296円
[発行日]2015/11/5
「あ」と「い」はどっちが大きい?あるいは、「コジラ」と「コシラ」では?こんな質問をされたら、あなたはどう答えますか。文字そのものには大小がないはずなのに、音で聴くと母語が何であるかにかかわらず大小を判断するそうです。また、五十音図とサンスクリット語との関係、存在しない音を聴いてしまう脳など、楽しい話題を紹介します。
「ゴジラ」や「ガンダム」が、もし「コシラ」や「カンタム」だったら強そうな感じがしないですよね。濁音は大きいことを表すのだそうです。また英語の「r」は必ずしも巻き舌を伴わないのだそうです。調音音声学、音響音声学、知覚音声学などをわかりやすく解説してあります。MRIや超音波(エコー)だけでなく、EMAやEGGや声紋分析などを使って言葉を分析できるのです。へぇー、そうなんだとビックリです。このような学問が、スマホのシリーなどで使われている技術につながっているそうです。自分の声を録音しておけば、その録音データとともに声だけは永久に聞くことができるようになってきました。恐山のイタコもビックリですね。声のでない病気になってもパソコンのキーを打てれば自分の声で会話ができるようなんです。筆者はこれらを福祉音声学と呼んでいます。時代は変わってきましたね。

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