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夫の墓には入りません

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[題名]夫の墓には入りません
[著者]垣谷美雨
[発行]中央公論新社
[定価]680円
[発行日]2019/1/25

ある晩、夫が急死。これで嫁を卒業できると思いきや、舅姑や謎の女が思惑を抱えて次々押し寄せる。“愛人”への送金、墓問題、介護の重圧・・・がんじがらめな夏葉子の日々を変えたのは、意外な人物と姻族関係終了届!? 婚姻の枷に苦しむすべての人に贈る、人生逆転小説。


なかなか面白い。あっという間に読み終えてしまった。夏葉子が変な男にひっかかりそうになったのはご愛敬だが、自由になれてハッピーエンド! しかし子供がいたらどうなるのかな? 資産がたっぷりあればいいけど、そうでなければ自分で子供を養っていくしかない。預貯金は大切だな。


これは経費で落ちません!(5) 〜落としてください森若さん〜

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[題名]これは経費で落ちません!(5) 〜落としてください森若さん〜
[著者]青木祐子
[発行]集英社
[定価]550円
[発行日]2019/2/25
天天コーポレーション社員の悲喜交々の日常。経理部の佐々木真夕、営業部の山崎柊一、総務部の平松由香利……森若さんを取り巻く、一癖も二癖もある彼らの物語。

佐々木真夕が経理部に異動してきて一か月。異動直後にミスをしてからは、数字が恐くて仕方がない。そんな真夕のストレス発散を兼ねた趣味は、ビジュアル系バンドの追っかけだ。イチオシはCAROLINEのボーカル“アレッサンドロ”。追っかけ仲間からアレッサンドロも参加するという、複数バンドの合同打ち上げに誘われるけれど……?

<収録作>
「佐々木真夕 初恋アレッサンドロ」
「山崎柊一 カラークリスタル」
「平松由香利 ゾンビと嘘と魔法の笛」
「中島希梨香 それでもあたしは男っぽい女」
「田倉勇太郎 三十八歳の地図」


太陽君と沙名子さんとの恋のゆくえはどうなったのかが気になっていた。「これは(経費で)落ちません!」ですが「沙名子さんは落ちてしまった」のかと楽しみにしていましたが違いました。他の登場人物に焦点を当てた独立した短編五編です。個性的なキャラクターが魅力的ですね。

食堂のおばちゃん(5) 〜真夏の焼きそば〜

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[題名]食堂のおばちゃん(5) 〜真夏の焼きそば〜
[著者]山口恵以子
[発行]角川春樹事務所
[定価]600円
[発行日]2019/1/18

海老フライ、大根バター醤油、餡かけの茶碗蒸し、ニラ玉豆腐、ホウレン草と豚バラの酒鍋、焼きそば…。姑の一子と嫁の二三に、今や大きな戦力となった万里の三人で営む「はじめ食堂」は、今日も常連客の笑顔がいっぱい。そんなある日、二三の娘・要が、最近毎日のようにランチに現れる男性を見て「四和ビル爆破事件の逃亡犯に、そつくり」だと言う…。心も身体も幸せになる、続々重版の大人気人情食堂シリーズ、第五弾。文庫オリジナル。


楽しい楽しい下町の食堂シリーズも第五弾。バイトで働いている万里ももう三年。腕をあげてきた調理人が次に目指すのは調理師免許の獲得。20歳の彼女(?)もできたようだが、幼馴染の要との仲はどうなるのか?

ちどり亭にようこそ(4) 〜彗星の夜と幸福な日〜

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[題名]ちどり亭にようこそ(4) 〜彗星の夜と幸福な日〜
[著者]十三 湊
[発行]KADOKAWA
[定価]630円
[発行日]2018/11/24

おめでとう!ついに花柚さんが結婚!

 ちどり亭の店主・花柚と総一郎の結婚式まで、あと数ヶ月。平穏な日々が続くかと思われたある冬の日、意外な人物がちどり亭を訪れる。品のいい和服を着て、毅然とした印象のおばあさんーー総一郎の祖母・咲子だった。「バイトの彗太に、この店を継ぐだけの力があるか確認したい。その力がないと判断すれば、花柚に店をやめさせる」と言う咲子に、花柚は慌てる。しかし固い決意のもと、彗太は彼女ために一週間、お弁当を作ることになる・・・・・。大団円となるのか?


 やっとというか元の鞘に納まるというか、花柚が結婚した。相手はもちろん永谷総一郎である。うらやましいぞ、総一郎!総一郎から見た「【番外編】十年後の弁当」もお勧め!


ちどり亭にようこそ(3) 〜今朝もどこかでサンドイッチを〜

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[題名]ちどり亭にようこそ(3) 〜今朝もどこかでサンドイッチを〜
[著者]十三湊
[発行]KADOKAWA
[定価]630円
[発行日]2018/3/25

ちどり亭、閉店の危機?  救世主は現れるのか?
 京都は姉小路通沿いにこぢんまりと建つ仕出し弁当屋「ちどり亭」。その店主の花柚は、婚約者との結婚にともない、店を畳まなければならなくなる。しかしバイトの彗太が店を継ぎたいと申し出たことで、彼が大学を卒業するまでの二年間は、店を続けられることに。安堵したのもつかのま、花柚は祖父から「ただしオーナーも店主も辞めること」という条件を出される。名義とお金だけ貸してくれて、現在の店のやり方を守ってくれる人。そんな都合のいい人を果たして見つけられるものだろうか……。


 話が展開していきます。彗太と菜月の恋の行方はどうなるのか? 永谷総一郎の母や花柚の父が登場します。そしてなんと! 失踪していた花柚の兄の公篤もビックリの登場です。総一郎と公篤の対決はどうなるのか?  それにしても花柚は恥じらいのある、かわいらしい女性です。惚れちゃいそうです(笑)。

ちどり亭にようこそ(2) 〜夏の終わりのおくりもの〜

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[題名]ちどり亭にようこそ(2) 〜夏の終わりのおくりもの〜
[著者]十三湊
[発行]KADOKAWA
[定価]610円
[発行日]2018/7/25
いつも元気な店主・花柚が、小学生のとき以来だという風邪をひいて、寝込んでしまう。急きょピンチヒッターを頼むことになり、彼女が声をかけたのは、西陣で人気店を営んでいる松園というおじいさん。幼い頃から花柚を知っているという彼もまた、ひときわ美味しい料理を生み出す、個性的な人だったー。待望の第2巻も、絶品!!


永谷総一郎と花柚のかけあいも面白いし、花柚の父も登場してきました。他の登場人物も個性的でわかりやすい。おにぎりとおむすびの違いなど、涙あり笑いありのいい話しが続きますね。


ちどり亭にようこそ(1) 〜京都の小さなお弁当屋さん〜

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[題名]ちどり亭にようこそ(1) 〜京都の小さなお弁当屋さん〜
[著者]十三湊
[発行]KADOKAWA
[定価]610円
[発行日]2018/3/15
京都のお弁当屋を舞台に繰り広げられる美味しくて心温まる人情ドラマ!

 ここは、昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いに、こぢんまりと建っている仕出し&弁当屋「ちどり亭」。店主の花柚さんは二十代半ばの美しい人で、なぜか毎週お見合いをしている。いつも残念な結果に終わるらしいんだけど、どうしてなんだ?「結婚したいんですか?」と尋ねると「お見合いがライフワークなの」と答える彼女。うーん、お茶目な人だ。
 そんな花柚さんが作る最高に美味しいお弁当は、とても人気で、花柚さんもバイトのぼくも毎日、朝から仕出しや弁当販売で大忙し。あ、いらっしゃいませ! どのお弁当にしますか?


 お見合いがライフワークという蒔岡花柚さんは24歳。許嫁のために小学生から料理を習い、今ではお弁当屋をやっているお嬢様である。元許嫁の永谷総一郎がお店にやってきた。二人は別々の伴侶を探すべくお見合いを重ねているが、どうなるのか?  またバイトの彗と菜月との恋の行方は?  この仕出し弁当屋ではいろいろなドラマがおこる。目次が「七十二候」で始まり季節感を出しているのもより京都らしくしている。


女たちの避難所

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[題名]女たちの避難所
[著者]柿谷美雨
[発行]新潮社
[定価]590円
[発行日]2017/7/1
九死に一生を得た福子は津波から助けた少年と、乳飲み子を抱えた遠乃は舅や義兄と、息子とはぐれたシングルマザーの渚は一人、避難所へ向かった。だがそこは、“絆”を盾に段ボールの仕切りも使わせない監視社会。男尊女卑が蔓延り、美しい遠乃は好奇の目の中、授乳もままならなかった。やがて虐げられた女たちは静かに怒り、立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説。


 表題をみて「避難所」というのは抽象的な表現だと思いましたが、実際に読んでみると違いました。まさに東日本大震災後の避難所のことが描かれていました。ギャンブル狂で借金のある夫をもつ福子、バツイチで居酒屋を経営していることから息子がいじめられ不登校になった渚、夫が震災で亡くなり1歳の子どもとともに舅と義弟と暮らすことになりそうな遠乃。男女共同参画の時代ですが、以前からあった男尊女卑、女性蔑視の問題が震災を契機に鮮明になってきたようです。いろいろあって3人はなんとか東京へ脱出。つまりは東京が避難所になったのです。


あなたの人生、片づけます

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[題名]あなたの人生、片づけます
[著者]柿谷美雨
[発行]双葉社
[定価]648円
[発行日]2016/11/13
社内不倫に疲れた30代OL、妻に先立たれた老人、子供に見捨てられた資産家老女、ある一部屋だけを掃除する汚部屋主婦……。『部屋を片づけられない人間は、心に問題がある』と考えている片づけ屋・大庭十萬里は、原因を探りながら手助けをしていく。この本を読んだら、きっとあなたも断捨離したくなる!


 タイトルからすると終活に関連する内容なのかなあとも思ってしまうが、実は「片付け屋」の大庭十萬里の事件簿である。部屋を片付けられない人々がおり、当事者以外の関係者(親、娘、義母など)から十萬里への依頼がある。当事者は何も困っていないのである。十萬里が自ら部屋を片付けるのではなく、片付け方法を教えるのだが、それ以外にそのような状況を作り出した人の心を片付けているのである。

ファミリー・レス

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[題名]ファミリー・レス
[著者]奥田亜希子
[発行]KADOKAWA
[定価]640円
[発行日]2018/10/25

「家族か、他人か、互いに好きなほうを選ぼうか」姉と絶縁しシェアハウス暮らしのOL。愛する妻の親族に興味を持てない画家。未来を考えられないせいで離婚された男。突然曾祖母と同居することになった中学生。姉の忘れ形見とほんとうの母娘になりたい女教師。そして婚約破棄をして自暴自棄の女。何かが欠けた6人の男女は、家族と呼ぶには遠く他人と呼ぶには近すぎる存在に救われるーあなたの心を揺さぶる連作短編集。


家族をテーマにした6編の連作短編集。決してファミリー・レストランの話ではない(笑)。「家族とは?」というよりも「何が正しい家族なのか?」というテーマかな。「いちでもなく、さんでもなくて」というタイトルの意味がわかった時にはしんみりした。どの作品も切ない思いに心が揺さぶられる。改めて自分の家族に感謝したい。


老乱

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[題名]老乱
[著者]久坂部 羊
[発行]朝日新聞出版
[定価]1,836円
[発行日]2016/11/30
在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。老い衰える不安をかかえる老人、介護の負担でつぶれそうな家族、二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは? 現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。医師、家族、認知症の本人のそれぞれの切実な“不都合な"真実を追いながら、最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。 著者は再発したがん患者と万策尽きた医師との深い葛藤をえがいた『悪医』で日本医療小説大賞を受賞している。


「介護がうまくいかない最大の原因は”ご家族が認知症を治したいと思うこと”なんです。」と言われてもなかなか理解できない。しかしこれが認知症介護の真実である。まさに不都合の真実がここにもあるのだ。「認知症を受け入れて肩の力を抜くことが大事なのです。」であるが、そこの境地に行けるかどうか? 認知症は治らないし、進行する病いであることを知らないと、介護していても感謝されず、介護虐待につながる可能性が高い。認知症高齢者がこれから急増する我が国の避けては通れない大問題が小説になった。


地震と独身

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[題名]地震と独身
[著者]酒井順子
[発行]新潮社
[定価]680円
[発行日]2016/9/1
2011年3月11日以降、震災をめぐる家族の物語は様々な形で語られてきた。一方で、あまり聞こえてこない独身者の声。地震は彼らにどんな影響を与えたのか?既婚者に代わり必死で働いた人、故郷の東北に戻った人、ボランティアに身を捧げた人、結婚を決めた人…。被災地を訪れ、独身者たちとの対話を重ねて見えてきた、「個」として生きる人々の多様な姿と、新たなつながりの可能性。


 まだまだ強く記憶に残る東日本大震災。大津波が街を飲み込むあの映像を私は生涯忘れられないことだろう。そんな大災害を独身者の側の話をまとめた本。ドキュメンタリーである。酒井順子氏も独身なので、このような企画になったのであろう。2014年に単行本で出版されたが、文庫化された時には、何人かに再訪しておりその様子も記されている。身の軽い独身者がいかにがんばって、どのようにかかわって、その結果どうなったのか、詳細に記されている。





ニュータウンは黄昏れて

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[題名]ニュータウンは黄昏れて
[著者]垣谷美雨
[発行]新潮社
[定価]750円
[発行日]2015/7/1
バブル崩壊前夜に買ってしまった分譲団地。20年近く経つ今もローンを抱え、織部頼子は節約に必死だ。その上、理事会では我儘なジジババに振り回される日々。一方、娘の琴里は27歳フリーター。ある日、幼馴染の三紀子にイケメン資産家の彼氏を紹介される。が、彼女は失踪、いつしか琴里が彼と婚約することに。織部家、まさかの人生大逆転?!一気読み必至の傑作「社会派エンタメ」誕生。


マンションなどを買っても資産価値が下がれば売値はべらぼうに安くなり、しかも買い手がつかなくなる。現在では越後湯沢のリゾートマンションが典型例だろう。売れなくても、住まなくても固定資産税や管理費は支払い続けなければならない。資産価値を高める一つの方法は建て替えることだが、マンションの建て替えるには住民の総意がなければならず、これもまた難しい。一番いいのは持たないことなのか? 賃貸ならば気楽に移動できる。でも自分の城を持ちたい気持ちもわかる。あぁ、考えれば考えるほど大変だなぁ。こんなことを考えながらニュータウンは今日も黄昏れていく。


幸せ戦争

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[題名]幸せ戦争
[著者]青木祐子
[発行]集英社
[定価]600円
[発行日]2016/2/25
念願のマイホームを購入した氷見一家。そこは、元の地主の意向で隣り合う四軒の家が前庭を共有する、少し変わった敷地だった。元地主の仁木家は資産家で、夫は覆面作家だという噂。活動的な妻・美和が四軒のつきあいを主導している能生家。共働きで他三軒とは少し距離を置いている高井戸家。そんな三つの家族とともに、氷見家の幸せな暮らしが始まるが・・・。誰もが思い当たる「ご近所」の物語。


一見、幸せそうな近隣の四軒の家。実はいろいろと妬みや恨みや愛憎があってややこしい。まぁあまり他の人や他の家のことを気にしすぎてもいけませんよ、ということなのだろう。自分が満足できれば、それはそれで幸せなんだろうな。


スマホを落としただけなのに

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[題名]スマホを落としただけなのに
[著者]志駕 晃
[発行]宝島社
[定価]650円
[発行日]2018/12/3
第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉作品は、二転三転する恐怖のサイバーサスペンスです!

麻美の彼氏の富田がスマホを落としたことが、すべての始まりだった。
拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。
麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。
セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる狂気へと変わっていく。
いっぽう、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され……。


おもしろいミステリーでした。映画化されたようですが、映画はみていません。SNSの持っている便利さと脆弱性が描かれておりハッカー(クラッカー)の恐ろしさも身に沁みました。「スマホを落としただけなのに」ここまでの事件につながるとは恐ろしい世の中です。SNSは現代社会になくてはならにものだけに関わり合いを考えさせられました。

食堂のおばちゃん4 ふたりの花見弁当

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[題名]食堂のおばちゃん4 ふたりの花見弁当
[著者]山口恵以子
[発行]角川春樹事務所
[定価]600円
[発行日]2018/8/18
「あら、牡蠣と白菜のクリーム煮ですって、美味しそ~」
「あたしは、メンチカツ定食」──姑の一子と嫁の二三に手伝いの万里の三人で営む
「はじめ食堂」は、今日も常連客で大にぎわい。
そんなある日、常連のひとり三原が、一子たちをお花見に招待したいという。
三原は元帝都ホテルの社長で、十年程前に妻を亡くして、佃のタワーマンションに一人住まい。
一子は家族と親しい人を誘って出かけるが……。
心温まる料理と人情で大人気の「食堂のおばちゃん」シリーズ、第四弾。


下町の雰囲気がよくわかる食堂もの連載の第四弾。第四話のふたりの花見弁当や第五話のサスペンスなあんみつが印象に残っています。第五弾が待ち通しいです。


食堂のおばちゃん3 愛は味噌汁

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[題名]食堂のおばちゃん3 愛は味噌汁
[著者]山口恵以子
[発行]角川春樹事務所
[定価]600円
[発行日]2018/8/18
オムレツ、エビフライ、豚汁、ぶり大根、麻婆ナス、鯛茶漬け、ゴーヤチャンプルー…昼は定食屋で夜は居酒屋。姑の一子と嫁の二三が仲良く営んでおり、そこにアルバイトの万里が加わってはや二年。美味しくて財布にも優しい佃の「はじめ食堂」は常連客の笑い声が絶えない。新しいお客さんがカラオケバトルで優勝したり、常連客の後藤に騒動が持ち上がったり、一子たちがはとバスの夜の観光ツアーに出かけたりー「はじめ食堂」は、賑やかで温かくお客さんたちを迎えてくれる。


「食堂のおばちゃん」シリーズの三作目です。短編5話の連作ですが、第4話の「辛子レンコン危機一髪」が印象に残りました。食中毒の疑いをかけられてしまったのですが、その対応が見事です。危機管理のお手本です。ボクシングや水球や体操などの団体のお偉いさんに読ませたいくらいです。ほのぼのとする出会いがいいですね。


これは経費で落ちません!4

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[題名]これは経費で落ちません!4
[著者]青木祐子
[発行]集英社
[定価]550円
[発行日]2018/6/26
外資系企業から転職してきた、経理部の新入社員・麻吹美華は、思ったことをなんでも率直にものを言う。オブラートに包むということがない。おかげで波風立てずに会社員生活を送りたい沙名子は、気苦労が絶えない。私生活では太陽と正式に付き合い始めたものの、初めての恋愛にペースを乱され戸惑い気味。そんなときも、面倒事は遠慮などしてくれない。とある厄介事が無事解決したと思った直後、沙名子はよく知る社員同士の不倫現場を目撃してしまって……?


 転職してきた麻吹美華が引き起こす騒動も面白いですね。そして太陽との恋愛も興味津々です。続作に期待しています。


これは経費で落ちません!3

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[題名]これは経費で落ちません!3
[著者]青木祐子
[発行]集英社
[定価]550円
[発行日]2017/10/25
森若沙名子、28歳。経理一筋6年目。仕事とプライベートはきっちり分けたいと思っている。そんな沙名子に、広報課の室田千晶が相談があると言ってきた。千晶は化粧品会社から転職してきた契約社員で、好感が持てるいい子だ。千晶が来てからは、ショールームも飾り付けられ来客も増えた。しかし彼女は、社内で浮いている。一部女子社員からは嫌われてさえいて…?


経理をめぐる社内ミステリーの名探偵のような森若さん。三話のクリスマスイベントでは特にその名探偵ぶりが発揮されている。会社の内外での人間関係のもつれやねじれがまるでドラマのようである。


ビブリア古書堂の事件手帖 〜扉子と不思議な客人たち〜

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[題名]ビブリア古書堂の事件手帖 〜扉子と不思議な客人たち〜
[著者]三上 延
[発行]KADOKAWA
[定価]610円
[発行日]2018/9/22
驚異のミリオンセラー『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ最新刊

ある夫婦が営む古書店がある。鎌倉の片隅にひっそりと佇む「ビブリア古書堂」。その店主は古本屋のイメージに合わない、きれいな女性だ。そしてその傍らには、女店主にそっくりな少女の姿があった--。
女店主は少女へ、静かに語り聞かせる。一冊の古書から紐解かれる不思議な客人たちの話を。古い本に詰まっている、絆と秘密の物語を。
人から人へと受け継がれる本の記憶。その扉が今再び開かれる。


ビブリアの続編が登場しました。7年ほど経過した設定です。その間に栞子さんと大輔君が結婚して扉子さんという娘さんが生まれています。栞子さんが扉子さんに本にまつわるいろいろな話(事件)を語るという展開です。あっという間に読み終えてしまいました。さらなる続編に期待大です。



これは経費で落ちません!2

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[題名]これは経費で落ちません!2
[著者]青木祐子
[発行]集英社
[定価]550円
[発行日]2017/10/18
経理部の森若沙名子、27歳。多くの領収書を処理する沙名子には、社内の色々な人間関係が見えてくる。周囲に与えた分以上のことは期待せず、されず、精神的にも経済的にもイーブンでいることを大切にする沙名子は、他人の面倒ごとにはかかわりたくないのだけど、時には巻き込まれることも。ブランド服、コーヒーメーカー、長期出張……それは本当に必要なものですか?


普通の会社ではよくあることなのかわかりませんが、実際にありそうな内容です。洞察力の鋭い沙名子さんに睨まれては一巻の終わりです(笑)。天真爛漫な太陽君とはお似合いだと思います。


オカマだけどOLやってます。完全版

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[題名]オカマだけどOLやってます。完全版
[著者]能町みね子
[発行]文藝春秋
[定価]657円
[発行日]2009/8/10
能町みね子、2×歳。都内の某会社でOLとして働き始めて3年、実はまだ「チン子」がついています。会社の人は誰もそのことを知りません……。OLとして入社した職場では、「顔のわりに声低いよね」と最初に言われ、男性社員が重い荷物を持ってくれることに驚く。 女子の呪文をつかえるかに心を砕き、同僚女子と群れるか群れないか迷い、合コンで撃沈!? かわいい女の子に恋したこともある(! )オトコ時代について、恋愛のお話、ネクタイ着用の男性社員として就職した経験、誰にも秘密のドキドキOL生活など、大人気脱力系イラストエッセイ本『オカマだけどOLやってます。』シリーズを再構成し、一冊にまとめた完全版。自らを「性同一障害」ではなく「オカマ」と呼ぶ著者の、とにかく面白く、ときに切ないエッセイです。


なんとこれもブログ仲間の「いなか仁」さんから送られてきたもの。能町みね子ファンになってしまったのかな(笑)

オカマになる前の学生時代(もちろん男だが外見は女らしかった)、男としての社会人時代、オカマに目覚めたOL時代(身体は男)、そして女への変身の頃、オカマになってからのこと、などが数多くのエピソードを交えて語られています。個人的にはよくわからないことが多いのですが(よく理解できてたらオカマに近いってことか?)、人はいろいろなんですね。一般的には東京大学卒業ってだけで羨ましいと思われるのですが。


老後の資金がありません

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[題名]老後の資金がありません
[著者]垣谷美雨
[発行]中央公論新社
[定価]640円
[発行日]2018/6/30
しっかり貯金して老後の備えは万全だったわが家に、突然金難がふりかかる! 後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるという。折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?普通の主婦ががんばる傑作長編。


笑い事ではありません。小説なのですが、実際にありそうな話です。娘の結婚式ですから、やはり新郎の実家もあるのであまり手を抜けませんね。舅の葬式に関しても、篤子は夫と義妹に気兼ねしてしまいます。そして夫婦ともにダブルリストラ。不幸の追い打ちです。義母が予想に反して、楽しい人だったのは篤子にとってはよかったですね。自分のことを考えても、葬式に関しては、戒名などの無駄な出費は大幅に削ってもらってかまいません。


余命10年

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[題名]余命10年
[著者]小坂流加
[発行]文芸社
[定価]670円
[発行日]2017/5/15
死ぬ前って、もっとワガママできると思ってた。
二十歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。
笑顔でいなければ周りが追いつめられる。
何かをはじめても志半ばで諦めならなくてはならない。
未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。
そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。
衝撃の結末、涙よりせつないラブストーリー。


ライトノベルズにしては濃い内容の小説です。
それもそのはず、2007年6月に刊行された単行本「余命10年」を大幅に加筆・修正し、2017年5月に文庫化されたのが本書です。そして著者は2017年2月になんと亡くなっているのです。まさに「10年」なのです。
主人公の不治の病である8文字の難病は原発性肺高血圧症であろうと思われますが、おそらく著者もその病気だったのではないでしょうか?
心からご冥福をお祈り申し上げます。


食堂のおばちゃん2 恋するハンバーグ

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[題名]食堂のおばちゃん2 恋するハンバーグ
[著者]山口恵以子
[発行]角川春樹事務所
[定価]640円
[発行日]2017/6/28
ほっとする美味しさと人の温もり。下町の小さな洋食屋物語。


下町にある常連客に愛される定食屋「はじめ食堂」で繰り広げられる人情話です。六話の短編集ですが、どれもこれも実際にありそうな話です。安心して楽しめることができます。近所にこんな定食屋があったらなぁ。


食堂のおばちゃん

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[題名]食堂のおばちゃん
[著者]山口恵以子
[発行]角川春樹事務所
[定価]648円
[発行日]2017/5/18
焼き魚、チキン南蛮、トンカツ、コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ、中華風冷や奴…。佃にある「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が、仲良く店を切り盛りしている。心と身体と財布に優しい「はじめ食堂」でお腹一杯になれば、明日の元気がわいてくる。テレビ・雑誌などの各メディアで話題となり、続々重版した、元・食堂のおばちゃんが描く、人情食堂小説。


常連客に愛される定食屋の「はじめ食堂」。夜も居酒屋として常連客でにぎわっている。といっても80歳代の一子さんと50歳代の二三さんの嫁姑の二人だけで担っている。いろいろなお客さんが繰り広げる人情ものの短編集。
近所にこんな定食屋があったらずっと通ってしまいそうだ。


冷蔵庫を抱きしめて

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[題名]冷蔵庫を抱きしめて
[著者]荻原 浩
[発行]新潮社
[定価]680円
[発行日]2017/10/1
あっちもこっちも不完全。そんなあなたが愛おしい。傷んだ心に効く8つのエール! 短編の名手の本領発揮! 幸せなはずの新婚生活で摂食障害がぶり返した。原因不明の病に、たった一人で向き合う直子を照らすのは(表題作)。DV男から幼い娘を守るため、平凡な母親がボクサーに。生きる力湧き上る大人のスポ根小説(「ヒット・アンド・アウェイ」)。短編小説の名手が、ありふれた日常に訪れる奇跡のような一瞬を描く。名付けようのない苦しみを抱えた現代人の心を解き放つ、花も実もある 8 つのエール。


短編集のおもしろさが溢れています。ただしもう少し長い(中編)ほうが言いたいことが伝わったような気がします。


これは経費で落ちません!

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[題名]これは経費で落ちません!
[著者]青木祐子
[発行]集英社
[定価]594円
[発行日]2017/10/18
森若沙名子、27歳、彼氏なし。入社以来、経理一筋。きっちりとした労働と、適正な給料。過剰なものも足りないものもない、完璧な生活をおくっている、はずだった。最近、そんな気配のなかった同期に恋人ができてしまい、少し迷いが生じている。ある日、営業部のエース・山田太陽が持ち込んだ領収書には「4800円、たこ焼き代」。経理からは社内の人間模様が見えてくる?


まじめな性格の経理部の森若沙名子、27歳。こんな女性は愛おしく感じます。そんなOLの周りで起こる小さな事件がちりばめられています。安心して楽しめる本です。


ルール

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[題名]ルール
[著者]堂場瞬一
[発行]実業之日本社
[定価]750円
[発行日]2017/10/15
オリンピック王者の犯した「罪」とはーー金メダルの“闇”に新聞記者が迫る!! クロスカントリースキー選手・竜神真人が現役復帰した。二大会連続で五輪金メダルを獲得、「クロスカントリースキー」というマイナースポーツの地位を引き上げ、国民的英雄と崇められ、竜神は一度引退した。彼の評伝執筆に取り組む新聞記者で、旧友の杉本直樹は、復帰の真意を探って取材を重ねるうち、ある疑念を抱く。竜神は“致命的なルール違反”を犯したのではないかーー。記者の使命と友情の狭間で、杉本は真実に迫るが……。「一見華やかな世界のようでありながら、満ち足りた環境にある選手は一部に過ぎない。その陰には競技環境を変えたい、競技の地位を引き上げたい、自らのために、そして使命感とともに大会に挑む選手たちがたくさんいる。選手を取材してきた立場からは『ルール』にある竜神の足跡、胸中は、選手たちの内面にたしかに触れているように感じられた。どのような思いで試合に挑むのか、読んだあとには選手を、試合を観る目も変わってくるのではないか。」ーー解説・松原孝臣氏(スポーツライター)、激賞!


オリンピックで金メダルを獲得して一度引退。「やり残したことがある」という理由で、クロスカントリースキー競技に現役復帰した竜神真人。その理由が今ひとつはっきりしない。それでも堂場瞬一のスポーツ小説はいつも引き込まれてします。


独走

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[題名]独走
[著者]堂場瞬一
[発行]実業之日本社
[定価]800円
[発行日]2016/12/15
国家に管理・育成されるアスリートの苦悩。オリンピック柔道金メダルを花道に引退した沢居弘人は、スポーツ省から特別強化指定選手「SA」の高校生・仲島雄平のサポートを命じられる。陸上長距離で日本記録を更新する反面、メンタルが弱い仲島の意識改革が狙いだった。次回五輪での金メダル倍増計画を国策に掲げ、アスリートを管理育成する体制に違和感を覚えながら、仲島は練習に励むが…。


スポーツ省に管理されるエリートアスリートの苦悩が描かれている。環境はいいのだが、閉塞感から抜け出せない。スポーツはもっとシンプルな個人の競技ではないのか? なぜ国家なのか? 2020年の東京オリンピックを二年後に迎える我が国にも問題を提起。個人的な望みだが、解説は玉木正之氏に担当して欲しかった。




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