
[題名]老乱
[著者]久坂部 羊
[発行]朝日新聞出版
[定価]1,836円
[発行日]2016/11/30
在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。老い衰える不安をかかえる老人、介護の負担でつぶれそうな家族、二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは? 現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。医師、家族、認知症の本人のそれぞれの切実な“不都合な"真実を追いながら、最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。 著者は再発したがん患者と万策尽きた医師との深い葛藤をえがいた『悪医』で日本医療小説大賞を受賞している。
「介護がうまくいかない最大の原因は”ご家族が認知症を治したいと思うこと”なんです。」と言われてもなかなか理解できない。しかしこれが認知症介護の真実である。まさに不都合の真実がここにもあるのだ。「認知症を受け入れて肩の力を抜くことが大事なのです。」であるが、そこの境地に行けるかどうか? 認知症は治らないし、進行する病いであることを知らないと、介護していても感謝されず、介護虐待につながる可能性が高い。認知症高齢者がこれから急増する我が国の避けては通れない大問題が小説になった。
最近のコメント