
[題名]「学力」の経済学
[著者]中室牧子
[発行]ディスカバー・トゥエンティワン
[定価]1,728円
[発行日]2015/6/18
「ゲームは子どもに悪影響?」「子どもはほめて育てるべき?」「勉強させるためにご褒美で釣るのっていけない?」個人の経験で語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける!
「データ」に基づき教育を経済学的な手法で分析する教育経済学は、「成功する教育・子育て」についてさまざまな貴重な知見を積み上げてきた。そしてその知見は、「教育評論家」や「子育てに成功した親」が個人の経験から述べる主観的な意見よりも、よっぽど価値があるーむしろ、「知っておかないともったいないこと」ですらあるだろう。本書は、「ゲームが子どもに与える影響」から「少人数学級の効果」まで、今まで「思い込み」で語られてきた教育の効果を、科学的根拠から解き明かした画期的な一冊である。
教育経済学の画期的な本です。データを元に教育効果を分析しており、質の高い教育を提供するにはどうすればよいのかを、コストパフォーマンスで語っています。アメリカには教育経済学に関するいろいろなデータがあり、科学的根拠に基づいた教育政策がとられているが、我が国の教育は教育者の経験と思い込みにより成り立っているのです。特に驚いたのは次の2点。一つは、教員の質を高めるのに有効な手段の一つが教員免許制度の廃止であることと、もう一つは、テストの点(認知能力)ばかりでなく、非認知能力としての「自制心」と「やり抜く力」が人生の成功に重要であるということです。
目次は以下の通り。
第1章 他人の“成功体験”はわが子にも活かせるのか? データは個人の経験に勝る
第2章 子どもを“ご褒美”で釣ってはいけないのか? 科学的根拠に基づく子育て
第3章 “勉強”は本当にそんなに大切なのか? 人生の成功に重要な非認知能力
第4章 “少人数学級”には効果があるのか? 科学的根拠なき日本の教育政策
第5章 “いい先生”とはどんな先生なのか? 日本の教育に欠けている教員の「質」という概念
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