
[題名]おひとりさまの老後
[著者]上野千鶴子
[発行]法研
[定価]1,400円
[発行日]2007/7/12
はじめに
第1章 ようこそ、シングルライフへ
第2章 どこでどう暮らすか
第3章 だれとどうつきあうか
第4章 おカネはどうするか
第5章 どんな介護を受けるか
第6章 どんなふうに「終わる」か
あとがき
結婚していようがいまいが、世界一長生きの日本女性は、最後は「おひとりさま」になる(確率が高い)。そこで、元気なうちに、セーフティネットを準備し、予備知識を得ておこう、というのが、この本の狙いだ。著者である東大教授の上野千鶴子さんも、おひとりさまの一人。「どうすれば安心して老いと付き合っていけるか、そして心おきなく死ねるか」を問いながら、その心構えや覚悟、今の社会に必要な情報やハイテクの現代ならではの便利なツールまで、幅広く先達や専門家の意見なども交えて紹介。住まいやお金、どんな介護や医療を受けて、最期は誰に何を遺し、どう終わるか。社会学者の視点で、「老い」のさまざまな問題点も浮き彫りにしながら、自身の問題としても考察する。上野教授、久々の書き下ろしである。
世間的にもてはやされている家族介護よりも、独居の方がいいですよという流れで書かれています。しかし、決して“負け犬”だけを対象に書かれている本ではありません。結婚していてもいずれは一人になります。子供がいても成長に伴い別居する確率の方が高いのです。暗い話しではなく、明るく老後を考える本ですので、楽しく読めます。
印象的な言葉として、
(1)カネで五つ星の住居は買えるかもしれないが、五つ星のサービスは保証されない。
(2)・・・しょうがないね、男は弱い生きものだもの。もとへ、女と同じように弱いくせに、弱さを自分に認めることのできない弱みをもった困った生きものなのだ。
(3)「ケアのしかた」についてのノウハウのあれこれはあるが、「ケアのされ方」をだれも教えてくれないのもへんなものだ。
などがあります。
また「介護される側の心得十カ条」などもあり、テンポよく読むことができます。
最後に極め付けの「おひとりさまの死に方五カ条」があります。
その1 死んだら時間をおかずに発見されるように、蜜でマメなコンタクトをとる人間関係をつくっておくこと。
その2 遺したら残されたひとが困るようなものは早めに処分しておくこと。
その3 遺体・遺骨の処理については、残されたひとが困らない程度に、希望を伝えておくこと。
その4 葬式とお墓についても、残されたひとが困らない程度に、自分の希望を伝えておくこと。「おまかせします」といわれても困るが、逆にあまりにオリジナルだったりふつうでなかったりして、それを実行するひとが困惑するような希望は遺さないこと。あくまで他人がやってくれることと知るべし。
その5 以上の始末が最後までとり行える程度の費用は、謝礼とともに用意しておくこと。ひとが動けば費用はタダとは考えないこと。
最後の行にはこう結んであります。
「これで安心して死ねるかしら」
ブログランキングに参加しています。
↓クリックをお願いします。

最近のコメント