七十歳死亡法案、可決

[題名]七十歳死亡法案、可決
[著者]垣谷美雨
[発行]幻冬社
[定価]648円
[発行日]2015/7/30
高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。施行まであと二年、宝田東洋子は喜びを噛み締めていた。我儘放題の義母の介護に追われた十五年間。能天気な夫、引きこもりの息子、無関心な娘と家族はみな勝手ばかり。「やっとお義母さんが死んでくれる………」 東洋子の心に黒いさざ波が立ち始めて……。すぐそこに迫る日本の危機を生々しく描いた衝撃作!
高齢者が多すぎて日本が経済的に成り立たなっている。長生きすることが幸せなのか? そんな命題を投げかける本である。馬飼野総理大臣率いる政府は「七十歳死亡法案」を強行採決した。七十歳を超えて生きることはできなくなる。老人ホームは減るだろうなぁ、病院も減ることだろう。年金なんて少ししか必要なくなる。介護保険も必要か? いろいろと社会に大きな変化が現れてくることだろう。その前に家族はどうなる、家族は。そんな家族の物語。発想は奇想天外だけど、なかなか深い内容の本。最後にはオチもあるので安心して読むことができる。