
1978年10月7日の旅(2)

これから標津線に乗る。標津線は中標津を中心にして、厚床、標茶、根室標津の3方向に人の字のように線路が延びている。標茶〜中標津〜根室標津が標津線の本線で、厚床〜中標津が支線のようだ。

厚床駅は複合型2面3線で、駅舎側単式ホームの1番線が根室本線下り(釧路→根室)、島式ホーム内側の2番線が標津線、外側の3番線が根室本線上り(根室→釧路)となっている。
厚床駅の1番線には9時09分着の釧路発根室行きの普通列車が待っていた。私の乗った根室からの急行狩勝4号は厚床駅の3番線に9時17分に着き、9時18分に出発する。その後9時19分に1番ホームの下り列車が出発する。優等列車が優先されるようだ。2番線にも標津線の中標津行きの普通列車が待っていた。


厚床駅を10時03分に出た列車は根室本線の線路を右手に分け北上する。

風連川流域に広がる湿原は白鳥の飛来地として有名であり、しばらく行くと奥行臼(おくゆきうす)。


奥行臼を過ぎて、ヤウシュベツ川を渡り、西別川橋梁の手前の右手には冬に川の湿地帯を整備して造成する町営スケートリンクがあるが、まだこの時期には営業していない。

次は別海。駅前には農協マーケットがある。しばらくして平糸を過ぎて床丹川を渡ると左右になだらかな傾斜地を切り開いた酪農家が遠くに点在してくる。農林省の根釧パイロットファーム計画による別海町第一、第二地区で、大規模な酪農をめざす新しい村づくりが始まっている。厳寒地区であるがぜひ成功してほしい。

春別川を渡ると春別。このあたりは起伏の大きい上り下りの急勾配が続く。協和を過ぎてしばらくすると中標津空港の最寄り駅である中標津に到着する。
厚床1003-1109中標津 標津線 353D

標茶から中標津までは急行しれとこも走っている。

中標津に11時09分に着き、標茶からの列車を待つ。11時19分に根室標津へ向けて出発した。

標津川を渡ると上武佐駅。駅前には武佐岳温泉がある。

川北を過ぎ再び標津川を渡ると、河口から国後島がはっきりと見えてくる。列車は終点の根室標津にすべりこむ。
中標津1119-1148根室標津 標津線 4324D
<注釈>
(1)【数字】は参考資料リスト参照
(2)【数字】がないものは動画を含めて自分で撮影したもの(2006年10月、2012年10月)
(3)文章は主として【2】と【3】を参考にし、自分の体験を加筆した。
(4)宿泊施設は時刻表巻末のホテル旅館案内を参照した。
<参考資料リスト>
【1】国鉄監修 交通公社の時刻表1978年10月号 日本交通公社
【2】北海道4000キロ 宮脇俊三・原田勝正編集 小学館 1982/8/20
【3】北海道 地図の中の鉄路 堀淳一 亜璃西社 2014/12/4
【4】レールウェイマップル 北海道鉄道地図帳 2010
【8】中学校社会科地図 帝国書院 1973/3/25
【9】北海道の大地から消えた鉄道風景 上田哲郎撮影 MGブックス 2012/5/19
【10】追憶の鉄路 工藤裕之 北海道新聞社 2012/5/23
【45】鉄道全路線 28 釧網本線・石北本線 朝日新聞出版 2010/1/31

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