
[題名]余命10年
[著者]小坂流加
[発行]文芸社
[定価]670円
[発行日]2017/5/15
死ぬ前って、もっとワガママできると思ってた。
二十歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。
笑顔でいなければ周りが追いつめられる。
何かをはじめても志半ばで諦めならなくてはならない。
未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。
そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。
衝撃の結末、涙よりせつないラブストーリー。
ライトノベルズにしては濃い内容の小説です。
それもそのはず、2007年6月に刊行された単行本「余命10年」を大幅に加筆・修正し、2017年5月に文庫化されたのが本書です。そして著者は2017年2月になんと亡くなっているのです。まさに「10年」なのです。
主人公の不治の病である8文字の難病は原発性肺高血圧症であろうと思われますが、おそらく著者もその病気だったのではないでしょうか?
心からご冥福をお祈り申し上げます。
- 関連記事