
[題名]人間の経済
[著者]宇沢弘文
[発行]新潮社
[定価]777円
[発行日]2017/5/10
富を求めるのは、道を聞くためーそれが、経済学者として終生変わらない姿勢だった。「自由」と「利益」を求めて暴走する市場原理主義の歴史的背景をひもとき、人間社会の営みに不可欠な医療や教育から、都市と農村、自然環境にいたるまで、「社会的共通資本」をめぐって縦横に語る。人間と経済のあるべき関係を追求し続けた経済思想の巨人が、自らの軌跡とともに語った、未来へのラスト・メッセージ。ベルリンの壁がなくなってから早くも30年になろうとしている。東西冷戦が終われば、平和な世の中になると思っていたのだが、現実はどうか。至る所で争いがおきている。自国の「利益」を追求しすぎるとどうなるのか、市場原理主義を推し進めていいのかどうかなど、多くの命題が突きつけられている。日本に関しても、アメリカの属国としての存在がメインであり、日本の発展に大きな足かせになっている。
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