
[題名]富士山噴火
[著者]高嶋哲夫
[発行]集英社
[定価]880円
[発行日]2018/3/18
元陸上自衛隊の新居見は3年前の南海トラフ大地震で妻と息子を失った。生き残った娘とは絶縁状態だ。ある日、この国が経験したこともないような巨大災害ー富士山噴火が近いという情報を旧友の記者から得る。大地が震え、大量の噴石が降り注ぐ中、人々を待ち受ける運命とは。新居見は今度こそ、愛する人を救えるのか!?日本壊滅の危機を、そして父と娘の絆の再生を描く感動の災害エンタメ!
p76
「・・・もし富士山自体が崩れる山体崩壊が起こったら、溶岩流と土石流はまず御殿場市に流れ込んでいく。御殿場市を呑み尽くすと南に向きを変え、JR御殿場線に沿って南に下る。愛鷹山の東に回り、裾野市を埋め尽くして、ひたすら南下していく。さらに山体崩壊が南西に広がると溶岩流と土石流は富士宮市、富士市に向かって流れていく。・・・」
p258
「・・・御殿場も大変だったのよ。あんな噴火は1707年の宝永の大噴火以来、300年ぶりだそう。御殿場に火山灰が降ったのよ。すぐに火口周辺警報を出した。レベル2よ。」
「噴火警報レベル4を出すべきでした。いや、避難準備じゃダメだ。レベル5です」
p267
「今、市長が全住民に市外避難命令を出したら必ず大混乱が起き、死傷者も出る可能性があります。特に医療施設、老人施設、病院と年寄りに被害が集中します。昨今の各地での火山噴火の経験を経て、各施設での訓練は行なっていますが、訓練は訓練です。・・・」
p303
「富士山が噴火した。すぐに噴石が降り始める。その間は建物の中でじっとしてるほうがいい。かなりでかいのもあるから。下手に動くと怪我をする。かなり高温の物もあるから気をつけて」
p584
「富士山に山体崩壊の恐れが出てきました。山体崩壊というのは文字通り山が崩れる、富士山が崩壊することであり、崩れた土砂は傾斜のある南側に向かってなだれ落ち、駿河湾にも達すると言われています」
登場人物などは「TSUNAMI津波」とつながっています。しかし富士山が噴火して山体崩壊するなんてストーリーをよく考えますね。地震や洪水被害の多い現代日本にさらに追い打ちをかけるような富士山噴火はしばらく待ってほしいものです。
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